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中学生、手にするのは「木銃」 銃剣道で全国V目指し突き磨く 夢は陸上自衛官
2019年9月14日
 滋賀県高島市の今津町銃剣道スポーツ少年団は、近年の全国大会で5年連続の団体優勝を果たした強豪チームだ。今夏の大会では惜しくも団体、個人戦とも上位に届かなかったが、団員たちは優勝を目指し、残暑の熱気が立ちこめる道場の中、稽古に汗を流す。

 「ヤーッ、ヤーッ」。夕闇が迫る今津銃剣道少年道場(同市今津町日置前)。剣道の面や胴、小手に似た防具を着けた中学生たちが気合の入った声を上げ、約1・6メートルの木銃で鋭い突きを繰り出す。「脇を締めて」「足を使って追い込め」。指導員の川岡俊一さん(62)の声が響く。

 銃剣道は、戦前の軍隊の銃剣術を起源としているが、戦後はスポーツ色を強め、国民体育大会(国民スポーツ大会)の競技にもなっている。滋賀県で約250人、全国で約3万5千人の競技人口があり、陸上自衛隊駐屯地がある今津町地域では、自衛隊関係者が普及と指導を担ってきた。自衛官OBの川岡さんもその一人だ。今津町銃剣道スポ少は1976年に発足。現在、市内の中学生7人、小学生5人の計12人が所属する。

 小柄な体を弾ませるようにして力強い突きを見せる今津中2年山室香璃さん(13)。小学5年で入団し、翌年の全国大会は団体戦で3位入賞となった。木銃の構えをまっすぐにしたままで相手を突く「直突(ちょくとつ)」を得意とする。「いくぞ、と思った瞬間に突くよう心掛けている」と話す。

 父親が現役自衛官でスポ少指導員の同中2年魚住崚斗さん(13)は小学3年から続けている。今夏の全国大会個人戦で8強入りした。準々決勝の相手は個人戦優勝者で、小学6年時に対戦して敗れた北海道の強豪。雪辱を期して「思い切った突き」を試みたが、「相手が一瞬速かった」といい、ストレート負けを喫した。「次こそは勝つ」と中学最後の大会となる来年に賭ける。

 2人とも将来の夢は陸上自衛官。競技と礼儀作法を教えてくれた指導員や、災害復旧で活躍する自衛官に憧れ「選手も続けたい」と口をそろえる。

 道場には「先手必勝」「気迫圧倒」の目標と共に、日本や米国、韓国、ブラジルなどの旗が連なる万国旗が掲げられている。スポ少指導員で県銃剣道連盟会長の小林久眞さん(69)は「銃剣道で培った強い心とともに、世界中の人と仲良くできる度量と優しさを持った大人になってほしい」と願う。
京都新聞


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