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「チョウの成長見て」キャベツ届けて16年、農家男性の思い
2019年6月4日
 児童にモンシロチョウの幼虫の成長や羽化の様子を観察してもらおうと、滋賀県高島市安曇川町の農家の男性が毎年5月、自ら育てた鉢植えのキャベツを同市内や大津市北部の小学校、幼稚園に贈っている。今年も「高島の豊かな自然に興味を持って」と、青々とした葉にチョウの幼虫の付いた約80鉢を届ける。

 男性は同町常磐木の井口二雄さん(80)。児童らの田植えや稲刈り体験に田んぼを提供している町内の安曇小から「チョウの観察用キャベツを提供してほしい」と依頼されたのを機に、2003年に始めた。

 井口さんは毎年3月初旬から、キャベツの苗を鉢植えし、日当たりと風通しが良い場所で育てている。「親のチョウが卵を産み付け、幼虫がしっかりと育つ、みずみずしい葉になるように」と、雨が少ない時季には朝夕の水やりを欠かさない。

 幼虫がキャベツを食べて育ち始める5月中旬ごろ、井口さん夫妻が市内の小学校や幼稚園を軽トラックで回って鉢を配る。大津市北部の小学校には地元JAの職員が届けている。

 キャベツを食べた幼虫がさなぎを経て、チョウになるまでを観察した児童からは「幼虫が大きくなるのがうれしかった」「きれいなチョウになったのを見て感動した」などの手紙が自宅に届く。井口さんは「子どもたちの喜ぶ姿を思い浮かべながら、体力が続く限り、贈り続けたい」と話している。
京都新聞


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