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強風「比良おろし」対策、防風柵完成 JR湖西線、運転見合わせ3分の1に
2019年5月23日
 JR西日本が湖西線の強風対策として近江中庄(滋賀県高島市)―近江塩津(長浜市西浅井町)間に整備していた防風柵がこのほど完成した。大津市の和邇駅以北で10年以上かけて進めてきた対策はこれで完了し、同社は「強風による運転見合わせ時間をさらに削減できる」と見込んでいる。

 比良山系から琵琶湖へ吹き下ろす「比良おろし」の影響で列車の運転見合わせや徐行による遅れが生じやすいことから、同社が防風柵の設置を進めていた。2008年12月に完成した高架部の比良―近江舞子間(約2・9キロ)を手始めに順次、山側に部分的に設置し、今年3月には近江中庄―永原間(約3・4キロ)、永原―近江塩津間(約1・2キロ)を対象に整備した。設置箇所の総延長は14・6キロ。沿線自治体も要望していた。

 同社によると、柵のある区間で強風規制値を緩和した結果、17年に約3・3キロの柵が完成した和邇―志賀間では、同年度の運転見合わせ時間の累計が4時間42分と、従来基準比で67%減少した。比良―近江舞子間、近江舞子―北小松間でも運転見合わせ時間がおおむね3分の1になったという。

 また、京都方面への折り返し設備「わたり線」を和邇駅に今年3月までに新たに整備した。同駅以北で運転見合わせとなった場合、従来は同駅手前の堅田駅で折り返していた普通電車を、和邇駅まで運行できるようになった。

 防風柵は遮蔽(しゃへい)率60%の強化プラスチック製で、高さ約2メートル。同社近畿統括本部は「安全のため、強風規制値に達すれば運転を見合わせることに変わりはない」とした上で、「引き続き列車運行の安定輸送を確保し、輸送サービスの向上に努める」としている。
京都新聞


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