滋賀県高島市新旭町の湖岸に連なる桜の並木が満開を迎えた。平成の初めに植えられた約650本が、時代の掉尾(とうび)を飾るように咲き誇っている。
並木整備は旧新旭町が1989(平成元)年、国の「ふるさと創生」交付金を活用して企画し、町の木・ソメイヨシノを翌年12月に町内の湖岸道路約6キロに沿って植樹した。
一時は樹勢が衰え、多くの木が花を咲かせない時期もあったが、2008年に発足した住民団体「トンボとその仲間たち」が熱心に世話を続け、見事に復活。湖西の春の風物詩として定着した。
湖を望むドライブコースに、淡いピンクの花の帯が彩りを添える。湖岸を散策する人やサイクリングを楽しむ人たちも足を止め、平成最後の桜をカメラに収めていた。
「トンボ−」の大石幸夫会長(74)は「令和の時代にも花を咲かせ続けるよう、仲間を増やしながら、桜を守る活動を続けたい」と話す。 |