大正から昭和にかけて湖西地域の人々の暮らしを支えた「江若(こうじゃく)鉄道」の廃線から50年を機に、往時の姿を紹介する写真展が大津市坂本の「スタジオ ピッコロ」で開かれている。地域住民や鉄道愛好家らが懐かしい写真に見入っている。
江若鉄道は1921年に現在の大津市域の三井寺―叡山間で開業し、31年に浜大津―近江今津(現高島市)間で全線開通した。総延長約51キロ。住民や観光客の足として親しまれたが、国鉄(現JR)湖西線建設に伴い69年に廃止された。
写真展は、県内外の約10人でつくる「滋賀鉄道模型愛好会」が企画。同志社大鉄道同好会OBの福田静二さん(長岡京市)と西村雅幸さん(広島県三原市)が廃線前後の65〜69年に撮影した写真を中心に約60点を並べている。
琵琶湖に立つ白鬚神社(高島市)の大鳥居を背に走ったり、安曇川を渡ったりする姿など、湖西地域の景色とともに捉えた作品を展示。69年10月31日の最終営業日の様子や、翌11月1日の廃線を惜しむイベントで花飾りが施された列車の写真なども並ぶ。
同愛好会主宰の村田三千雄さん(70)は「多くの人々に愛された鉄道だった。写真を見て当時を懐かしんだり、魅力に浸ったりしてほしい」と話していた。16日まで。入場無料。同愛好会事務局077(578)1751。 |