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大津の喫茶店に響く迫力の重低音 巨大高級スピーカー「パラゴン」
2018年3月14日
 全長3メートル近い巨大ボディーから響く独特の音響で知られ、生産終了後も根強いファンがいる米国製高級スピーカー「パラゴン」で音楽を楽しむ喫茶店が大津市内のユースホステル内にオープンし、人気を呼んでいる。自前のレコードを持ち込む来店客もおり、県内外からの愛好家などでにぎわっている。

 喫茶店は、大津市和邇南浜の「ユースホステル和邇浜青年会館」に開店。1970年代製のパラゴン(幅263センチ、奥行き74センチ、高さ90センチ)が設置されている。同会館従業員の藤野大介さん(35)が、会館内の倉庫にあったパラゴンを偶然発見したことを機に復活させた。

 パラゴンは、米のJBL社が開発。80年代までの約30年間、生産された。一見テレビ台のようにも見えるボディーは木製で、重さは約300キロ。価格は160万円台から300万円台。埋め込まれたスピーカーから響く重低音が特徴とされ、独特のフォルムと音響にひかれるファンも多いという。

 東京都出身の藤野さんは平成18年、当時勤めていた会社の転勤で関西に赴任。休日に妻(36)の両親が経営しているこのユースホステルで手伝いを始めた。そして約5年前、倉庫で眠っている「パラゴン」を発見した。「傷みがひどく、最初は何なのか分からなかった」と話す。

 妻の父に尋ねると「昔、160万円くらいで買ったスピーカー」。試しにアンプにつないでみると、不完全ながら重みのある音が出た。藤野さんはギターが趣味で、米のロック音楽のレコードも収集するなど音楽ファンで、修理を思い立った。

 ただ、大きな「図体」から難航。購入した地元の電器販売店と協力して分解した。取り出した内部の電子部品などの修理を電器販売店に依頼。外装の木材は家具職人に直してもらうなど仕事のかたわら地道に修理し、約5年かけて往年のサウンドを復活させた。

 28年に会社を退職し、ユースホステルの従業員として働き始めたことを機に「音楽好きの人が楽しめる場所にしたい」と施設内の食堂の一部を改装。昨年11月末に喫茶店を開業した。

 店内では、パラゴンの特徴がより際立つレコードを中心に音楽を流す。自前のロックと知人から譲り受けたジャズのレコード約1500枚を用意している。持ち込みレコードの再生も受け付けており、レコード愛好家の間で次第に口コミで広がり、県外から訪れる人もいる。「低音がよく出ていて臨場感がある」などと好評だという。

 藤野さんは「音楽好きのたまり場にしたい。夜遅くなったら宿泊もできますし」と笑う。事前予約で、貸し切りや夜間営業も受け付ける。将来的にはレコードだけでなく、バンドなどの生演奏も楽しめる場にしたいという。

 喫茶店の営業時間は午後0時半〜5時半。不定休。問い合わせは藤野さん(電)090・1203・6892。
産経新聞


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