高島市をものづくり作家が集まる「工芸の町」にしようと、県内の若手作家たちが取り組みを進めている。拠点化を考える同市安曇川町の旧広瀬小学校で三日、作品を展示、販売する「工芸の庭」(中日新聞社後援)を初めて開いた。
自然豊かな高島市は、音を出したり物を燃やしたりする工程も気兼ねなくできるなど、創作には格好の場所という。今年三月に閉校になった同校を作家が交流する「クラフトレジデンス(作業所)」にすれば、観光スポットにもなると、作家たちが集結した。
拠点化の足掛かりにしようと開いた行事では、県内外の作家三十五組が教室に出店。来場者の足に合わせてその場で彫る木靴やガラス細工、陶器などさまざまな作品が並んだ。初日の三日は、二千人が訪れ、作家との会話を楽しみながら作品を吟味していた。
行事の実行委会長の大西巧(さとし)さん(36)は「高島を工芸の町として成り立たせ、多くの観光客を呼びたい。小学校の卒業生にも気軽に遊びに来られる場所にしたい」と意気込む。
針金を使った立体作品を出した大津市の奥田由味子さん(51)は「作家同士の横のつながりが生まれる催し。今後、高島で作品を作るのもいいかもしれないと感じた」と話していた。行事は四日も開く。(問)事務局の原田さん=090(2069)5448 |