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廃校小学校でキノコ栽培 滋賀・高島市が無償貸与
2016年4月12日
 滋賀県高島市は、昨年3月に閉校した同市今津町保坂の旧今津西小の校舎を、キクラゲやシイタケなど菌床キノコ類の栽培に活用するため、精密機械の品質検査やキノコ栽培を手がける共栄精密(本社・東近江市)に5年間無償貸与する。両者は11日、地元住民を優先して雇用したり農家に技術指導するなど、地域活性化の取り組みを協力して行うとする協定を結んだ。

 菌床キノコ栽培は、原木ではなく、おがくずを固めた菌床で育てる。気象の影響を受けにくい室内で、比較的短期間で年中栽培できるのが利点だが、温湿度管理や雑菌対策が難しく、半導体部品の品質管理を行う同社の技術が生かせるという。同社はリーマン・ショック後のリストラを進める中で、雇用確保策として6年前に、熊本県人吉市で菌床キクラゲ生産に着手。廃校を利用した生産も4年間行った。

 今後、同小旧校舎の教室に温湿度管理のためのビニールハウスを設置して菌床キクラゲとシイタケを生産。まず3教室で栽培を開始し、年内は7教室を使い毎月1・5トンを生産。その後他の教室を活用、運動場にもビニールハウスを設置して生産を拡大する。周辺集落の高齢者をパートやアルバイトとして雇用する方針で、当面は5人程度だが、生産拡大とともに雇用も増やせるとしている。また近隣の農家に技術指導し、生産を請け負ってもらう体制も模索する。

 同小の跡地利用については地元住民らでつくる検討委で議論。菌床キノコ栽培は昨年12月に提案され、今年2月に承認された。市議会3月定例会でも、無償貸与の議案が可決された。

 協定書に調印した福井正明市長は「学校が閉校が相次ぐ中、地域の人たちも心配している。地域の核となるような利活用を進めてほしい」と要望。下田政寿社長(55)は「地元の人に長い目で、来てくれて良かったと言ってもらえるような事業展開をしたい」と話した。
京都新聞


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