湖国に春を告げる「比良八講」が26日、大津市内で営まれた。延暦寺の僧侶や修験者らがホラ貝の音を響かせながら市中を練り歩き、護摩法要などで湖上交通の安全や湖水の浄化を祈った。
早朝、僧侶ら約40人が同市長等3丁目の本福寺を出発。長等商店街で見送った立入道夫さん(61)は「八講をお迎えすると春を感じる。まだ寒い日もあり、早く暖かくなってほしい」と手を合わせた。
大津港や湖上で法要を行った一行は同市南小松の雄松崎に移動し、しめ縄で仕切られた湖畔の道場に到着した。煩悩を断つ作法などに続き、藤波源信大阿闍梨(あじゃり)を導師に護摩たきが行われ、比良山に向かって煙や炎が立ち上った。
比良八講は延暦寺の僧侶が平安時代に比良山中で始めたとされる法要で、長く途絶えていたが1955年に再興。「荒れじまい」と言われ、行事を境に比良山系からの強風がやむとされる。 |