今が旬の湖西の不動産情報掲示板
熱を発して雪解かす植物「ザゼンソウ」、生態学ぶ
2016年3月7日
 ザゼンソウが見頃を迎えた滋賀県高島市今津町で6日、恒例の「今津ザゼンソウまつり」が開かれ、市内外の愛好家が、自ら発熱して雪を解かすというザゼンソウの生態を学び、群生地の散策を楽しんだ。

 同町弘川の湿地には数千株のザゼンソウが自生し、開花の最盛期に合わせて実行委員会が毎年催している。

 今津東コミュニティセンターで開かれた学びの集いには、約70人が参加。ザゼンソウに詳しい岩手大の伊藤菊一教授が、その生態や最近の研究成果を紹介した。

 一般的な植物には発熱能力はないが、ザゼンソウは自ら発熱する特異な植物で、一定期間体温を23度前後に保つ調節機能もあるとされる。

 伊藤教授は「ザゼンソウが開花直後はめしべのみの雌期で、おしべと共存する両性期を経て、おしべのみの雄期になり、発熱するのはめしべのある時期」と風変わりな生態を解説した。受粉した花粉が花粉管を伸ばす最適な温度が23度前後であることが実験の結果判明したことから、「発熱は花粉管の伸長のための可能性がある」と説明。氷河期など地球が寒く春が短かった時期の環境に適応した植物と結論づけた。

 その後、参加者は群生地を散策。ザゼンソウの紫色の仏炎苞(ぶつえんほう)が、群生地いっぱいに地中から顔をのぞかせている様子に驚きの声を上げながら、カメラを向けていた。
京都新聞


HOME
Copyright (C) 2016 Shoei Real Estate Corporation. All Rights Reserved