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ふなずし老舗、味継ぎ再開 滋賀・高島で創業400年
2015年11月22日
 創業400年を誇るふなずしの老舗で、2012年春に廃業した滋賀県高島市勝野の「総本家喜多品老舗」が27日、営業を再開する。和菓子メーカー叶匠壽庵(大津市)が全面支援する。先代北村真一さん(77)が一線を退き、娘の18代目真里子さん(41)と夫篤史さん(44)が二人三脚で再出発を誓う。20日、3年近く漬けたふなずしの木桶(おけ)が開かれ、甘酸っぱい香りが漂った。

■「いいフナ(1127)」の日に 先代の娘と夫 「二人三脚」

 喜多品は1619(元和5)年創業。伊勢から高島の大溝藩に移った藩主分部光信の賄い方、山形屋九右衛門が始めた。「百匁(ひゃくめ)百貫千日」が家訓。100匁(375グラム)のフナを100貫(375キロ)の木桶で千日漬ける昔ながらの製法を伝える。価格の高騰や消費者の嗜好の変化で売り上げが低迷、廃業に至った。

 一家は篤史さんの郷里愛知県に引っ越したが、叶匠壽庵会長だった故芝田清邦氏が「滋賀の食文化を絶やしてはならない」と支援を持ちかけ、「伝統の味を継続できるなら」と再開を決めた。高島に戻り、13年春に漬け込みを開始。塩漬け2年、飯漬け8カ月、「1127(いいフナ)」の日の再開にこぎ着けた。

 高島沖のニゴロブナを使う伝統を守りながらも、コメや隠し味のみりんをグレードアップ。以前は販売しなかった規格外のふなずしを飯と一緒に刻み、ゆずの蜜漬けと合わせたり、漁師の要望を受け子がないオスを安価で提供する新商品を開発し、すそ野を広げる工夫をした。また仕入れに無駄が生じないよう、いつ誰が捕獲し、どの桶に漬けたかを追跡できる新しい商品管理システムを導入した。

 創業400年の2019年に向け、経営を軌道に乗せ、自立するのが目標。篤史さんは「3年かかったが、良いものができた」としみじみ。真里子さんは「廃業で多くの方にご迷惑をかけた。再出発も自分たちの力ではない。再びブランドとして認めてもらえるよう努力したい」と話している。
京都新聞


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