今秋から始まる酒造りに備え、滋賀県高島市新旭町太田の上原酒造がこのほど、酒を搾る木製の道具に柿渋を塗る作業を行った。
創業約150年の同社は、11月から翌年4月ごろにかけて酒を造る。石のおもりを上に載せて酒を搾るプール状の木槽などの道具を使っており、「柿渋を塗ることで木目を締め、道具を長持ちさせたり、雑菌を除去できる効果がある」として、毎年この時期に作業を続ける。同社によると、木製の道具で酒を製造する業者は、県内では数少なくなったという。
この日は、同社の従業員や取引のある京都市内の飲食店のスタッフら計8人が、蔵の中で作業に打ち込んだ。赤黒い色の柿渋をはけに付け、木槽やたる、酒を入れるタンクに立てかけるはしごなど約50点を丁寧に塗り上げた。 |