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田舎暮らし、関心高くも定住課題に 県のツアー盛況
2015年2月7日
 県が本年度初めて実施した三回の「田舎暮らし体験ツアー」がいずれも定員を上回る盛況だった。人口減少の波が滋賀にも押し寄せる中、移住を模索する人たちが滋賀に興味を抱いていることは確認できた形。今後、働く場の確保などさらに課題を解決できるかが転入増の鍵となる。

 ツアーは、いずれもバスでの日帰りで、九月に高島市(湖西)、十一月に彦根市や多賀町(湖東)、今月一日に長浜市や米原市(湖北)を回った。湖西と湖東は大阪発、湖北は名古屋発で各回二十人を一人二千円で募集。湖東と湖北は定員の倍近い三十五人の応募があり、急きょ大型バスを手配した。

 湖北では参加者らが雪に埋もれて甘みや栄養価が高まった野菜の掘り出しを体験した。豊かな自然を生かして農業を営む人や、地元木材を活用して大工として活躍する人らから話を聞いた。参加者の半数は二十〜三十代で、興味深そうに耳を傾けていた。

 ただし確実に転入につながるとは言い切れない。三重県桑名市からツアーに参加したベビー服デザイナー小沢明日美さん(30)は「全国の田舎を見て回っている」といい、まだ滋賀は選択肢の一つだ。

 転入を進める鍵はやはり仕事。長浜市小谷上山田町の田舎暮らし拠点「どっぽ村」代表の清水陽介さん(59)は「収入をどうやって得るかが現実的な課題」と話す。建築士でもある清水さんは移住者らに生業になるよう大工仕事も教えているが、定着させる難しさも実感しているという。

 ツアーを企画した県市町振興課の南里明日香課長は「都市部に近接しながら豊かな自然に恵まれた滋賀の魅力は伝わった」としつつも「実際に暮らすには仕事だけでなく安心できる医療体制も必要。全庁を挙げて、民間の力も借りながら、まだまだやらなければならない課題がある」と話す。
中日新聞+プラス


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