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<現代の名工>和菓子製造の西沢氏「磨いた技を生かしたい」
2014年11月10日
 厚生労働省は10日、東京都内のホテルで、日本のものづくりを支える優れた技能を持つ職人149人について2014年度の「現代の名工」として表彰した。職人の技能を尊重する気風を高めようと1967年度から始まった制度で、表彰を受けた滋賀県高島市の和菓子製造、西沢勝治さん(52)は「磨いた技を日々の仕事に生かしたい」と喜んだ。

 西沢さんの名刺にはタカをモチーフにした工芸菓子がプリントされている。獲物を狙う眼光は鋭く、勢いよく広げた羽は力強く、一枚一枚精巧を極める。

 「実物に似せようと思えばできるけど、それなら剥製の方が良いでしょう。和菓子ですから、お菓子らしさにこだわっている」と笑った。菓子で作った芸術品であることに、職人の強いこだわりが見えた。

 32年に創業した祖父の代から続く和菓子店の3代目。18歳からこの道に入った。京都の老舗で5年間働き、仕事の流れを学んだ。店には、当代一の工芸菓子の名人がいたという。「雲上人ですよ。まともに話もできなかったが、いつかは自分もと思っていた」。自分の店の仕事をしながら、本格的に工芸菓子に取り組み始めたのは38歳のころ。研さんを重ね、全国菓子大博覧会の最高賞を2度受賞するまでになった。

 完成した作品は店に展示し客の目を楽しませ、地元である高島市の道の駅にも展示されている。高さ1メートルの大作になると、制作に1年かかることもある。工芸菓子作りについて「壊れやすいものだからストレスの連続だが、達成感は大きい。磨いた技術は日々の仕事に生かすことができる」と話す。今後も日本らしい花鳥風月にこだわった作品を作りたいといい、「たくさんのお客さんに喜んで食べてもらえる菓子を作るのが一番。そのことを忘れてはいけない」と気を引き締めた。
毎日新聞


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