約120基の古墳が確認されている大津市北部の「曼陀羅山(まんだらやま)古墳群」一帯から、古墳時代後期(6世紀末)の円墳5基が新たにみつかり、市教委が発表した。いずれも「畿内型」と呼ばれる石室を持っていたことが判明。同古墳群はこれまで本格的な調査が行われていなかったことから、市教委は「地域の歴史を知る上で貴重な遺構だ」と評価している。
同市緑町の市立真野北小学校に隣接する民有地の宅地造成に伴い、市教委が昨年6月から5200平方メートルを調査。みつかった円墳は直径12〜21メートルの規模。いずれも墳丘部の側面に入り口を設ける「横穴式石室」を持ち、うち2基は石室の積み石が天井部分まで良好な状態で残っていた。5基の石室からは、水晶製の切り子玉や銅製の耳環などの副葬品がみつかった。
同市内では、石室の天井部分が丸みを帯びた「ドーム型石室」の調査例が多い。しかし、みつかった5基は石室が箱形になっている構造の畿内型だった。市教委文化財保護課は「渡来人の影響がうかがえるドーム型石室を築いた勢力とは別に、畿内の政権と関連のある豪族がこの地にいたと考えられる」とみている。
22日午後2時から現地説明会が開かれる。問い合わせは同課((電)077・528・2638)。 |