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ザゼンソウ:志、受け咲く 85歳ガイドから地域住民へ 団体発足、観光休憩所を開設
2013年1月30日
 高島市今津町の市街地に残るザゼンソウ群生地を、地域の宝としてまちづくりに生かそうと、住民グループ「ざぜん草の里」=岩渕篤運営委員長、25人=が誕生した。群生地“発見”から32年。1人で観光客案内やガイド、除雪、清掃を続けてきた近くに住む桂田泰三さん(85)の志を地域ぐるみで受け継ぐ。発熱植物ザゼンソウに負けず、気持ちは熱い。

 群生地はJR近江今津駅北西約1・5キロにあり、住宅地に囲まれた広さ約0・55ヘクタールの湿地。寒冷湿地に群落をつくり、同市は国内のほぼ南限。環境省の特定植物群落に指定されている。

 「ざぜん草の里」事務局長の川崎功さん(62)によると、開花期を目前に、2月9日から週末に、群生地に隣接する同市今津町弘川の地区集会所を開放し観光客の休憩所にする。3月24日までの毎週土日と20日(春分の日)午前10時〜午後3時。3月10日(日)には今津ザゼンソウまつりが群生地一帯で開かれる。

 桂田さんが続けてきた現地ガイドを担うため、ザゼンソウに詳しい環境を守るいまづの会の松見茂会長(85)=まつり実行委員長=を講師に学習会も27日に開いた。
 ザゼンソウは赤茶色の“おくるみ”のような包(ほう)の中にボール状の花の集合体があり、黄色の花粉に覆われる。めしべ成熟期の約1週間、発熱する。姿がお坊さんが座禅を組む姿を連想させることからこの名があり、雪原の景観が客足を誘っている。

 群生地内は遊歩道と湿原を渡る木橋が整備されているが、除雪や清掃が欠かせない。近年は写真を撮るため湿地内に立ち入る人がいるためロープなどで柵を巡らしており、維持も課題だ。住民たちはさらに、訪問客から要望の多い市内の他の観光地案内につながる横の連絡網づくりなど、視野の広いボランティア活動を目指す考えだ。
毎日新聞


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