大津市木戸の安養寺が、南北朝時代の作とされる「阿弥陀(あみだ)来迎図」を復元模写した仏画を製作した。傷んでいた来迎図も修復し、6日に開眼法要が営まれた。
33年に1度開帳される来迎図は、頭部に人の髪が織り込まれている珍しい仏画(長さ約95センチ、幅約54センチ)。2008年に開帳した際、分部麟教住職(63)が傷んでいることに気づき、修復と同時に、常に多くの人に見てもらえるようにと復元製作を決めた。修復と復元模写を同時に取り組むのは珍しいという。復元模写には髪の毛は織り込まれていないが、金箔(きんぱく)を細かく切って描く繊細な截金(きりがね)が施され、来迎図と比べると、衣紋や光背、蓮華(れんげ)座などが浮かび上がった。
開眼法要では大本山増上寺の八木季生台下らが読経。続いて大津市歴史博物館や文化財の修復に携わった関係者が修復の様子を説明した。13日から大津市歴史博物館で始まる企画展「阿弥陀さま」で展示される。 |