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コスモス「絆」咲いた 男性が育てた散歩道
2012年6月14日
 「コスモスの道はかけがえのない道。ありがとう」「比良の山々と調和し、すばらしい」−。比良山麓の大津市和邇北浜で一人の男性がこつこつ始めた「コスモスの散歩道」作りに、多くの住民が感謝や共感の言葉を寄せている。協力者も広がり、花の苗を一斉に植える催しが17日に初めて開かれる。男性は「地域の絆が一層深まれば」と願う。

 男性は、和邇北浜で生まれ育った杉本藤太郎さん(70)。雑草だらけだった地元の喜撰川沿いのあぜ道約300メートルの手入れを6年前に始めた。県大津土木事務所の了解を得て、毎朝、雑草を抜いたり、花の苗を植えたり、汗を流してきた。

 コスモスが咲く秋には、遠方の人も訪れる。昨秋、散歩道にノートを置いたところ、100件を超える書き込みがあった。近くに引っ越して3年目という人は「おじさんが一人で草をむしり、花を植える姿を見て和邇の里の人は心やさしいと思いました」。母と姉を近年亡くしたという別の人は「2人が大好きだったコスモス。通るたびに思い出がよみがえる」と記し、遺影に花を飾ったという。

 人それぞれの思いが宿る散歩道を大切に伝えていこうと、今年は「しがの里山や川を美しくする会」の会員も手伝い、17日午前9〜11時にコスモスの苗植えを喜撰川沿いで一斉に行う。

 また、杉本さんは、同じ和邇北浜を流れる鎌田川沿いでもコスモスの散歩道を作ろうと同日に苗を植える協力者を募る。「二つの川と琵琶湖岸を結ぶ散策路を作り、魅力を発信したい。春の菜の花など四季の花を楽しめるようになれば」と夢見る。問い合わせは杉本さん携帯電話090(2015)4831へ。
京都新聞


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