滋賀県高島市今津町の群生地で開花時季を迎えたザゼンソウの「学びのつどい」が26日、同市の今津東コミュニティセンターで開かれた。岩手大寒冷バイオフロンティア研究センター長の伊藤菊一教授(48)が、ザゼンソウの発熱の仕組みについて研究成果を話した。
今津ザゼンソウまつり実行委員会が主催。同日に開催された観察会に参加した約100人が聴いた。 ザゼンソウは開花時に1週間、根のでんぷんを使って23度に発熱する。花粉の発芽や伸長に適した温度で、伊藤教授は「寒い土地で子孫を残すために熱を作る」と説明した。
また、気温が下がると一定の温度を保とうとする不思議について「十分に解明されていないが、無駄なエネルギーを作らず温度を維持する仕組みが分かれば、省エネなど産業に役立つ。生物に学ぶ『エネルギー革命』もあり得る」と話した。
ザゼンソウが東アジアと北米だけに分布していることや、英語では「臭いキャベツ」の意味で、日本語の「座禅草」とはイメージが異なることをユーモアを交えて語った。
観察会では、雪の中から顔をのぞかせるザゼンソウに、多くの人がカメラを向けた。 |