滋賀県内のほぼ全域で最低気温が氷点下となり今冬一番の冷え込みとなった10日、高島市新旭町藁園(わらその)の即得寺で年末恒例の報恩講が行われた。「しょい飯」「かぶら汁」などの温かい郷土料理が大勢の参拝者に振る舞われた。
真宗大谷派の即得寺は、1781(天明元)年に造られた太鼓堂が街道沿いに建ち、独特の集落景観を形づくる藁園唯一の寺。報恩講での食事会は、集落最大の交流行事としても古くから伝わる。
湖西特産の赤カブラを使い、地域の女性たちが前日から準備したみそ汁、炊き込みの「しょい飯」、ニシンと大根の麹(こうじ)漬け、新鮮な野菜を使ったおひたし、ぬた、ゴマあえが並んだ。
高島市はこの日朝、今津の気象庁観測地点で氷点下0・5度の最低気温。参拝者らは、ほくほくと柔らかく、温かいカブラに箸を付け「甘くておいしい」と味わった。
川那邉章住職(58)は「おなかも心も温かく満腹になる交流の場として大切にしたい」と話していた。11日もあり、誰でも参加できる。午前10時から読経、法話に続き、郷土料理の振る舞いがある。 |