滋賀県高島市今津町日置前で、農家グループ「たかしま自然農法研究会」が農薬や化学肥料を使わず栽培している大豆の在来品種「ミズクグリ」の収穫が3日、行われた。濃い甘みが特徴の品種で、豆腐や菓子、発酵食品への加工が期待される。
研究会は、代表の篠(しの)原豊(とよし)さん(55)、堀田金一郎さん(60)、落合良平さん(57)の農家3人が一昨年につくった。ミズクグリは、ほ場整備や機械化が進む40年以上前に県内で栽培されていた品種。実の付く位置が低く、手で刈り取るため近年は、ほとんど作られていない。
高島の新しい特産にしようと、今年7月、小麦収穫後の60アールに種をまいた。収穫には、都市住民への流通や農作業体験のオーナー制度など仕掛けを考える同市の市民グループ「ごっつお高島」(水谷威信代表)のメンバーも参加した。
落合さんは「手作業の手間は欠点でもあるが、都市住民との連携など、新しい仕組みのきっかけにもなる。無農薬・無化学肥料で、味も良い特性を生かして、加工の幅も広げていきたい」と話していた。 |