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高島トレイルでまちおこし 人口5万人、年間4万人ファン集う
2011年12月1日
 山頂を目指す登山ではなく、自然を楽しみながら山道を歩く「トレイルトレッキング」がブームとなり、高島市の「高島トレイル」が全国一の人気を誇っている。標高千メートル弱の12の山々をつなぐ約80キロのコースで、風景や自然の変化を楽しめるのが人気の理由。人口約5万2千人の市に年間約4万人のファンが集う。最も魅力がある紅葉シーズンを迎え、地元観光協会はツアーを企画、まちおこしの起爆剤として生かす。

 トレイルとは、舗装されていない山岳路。トレイルトレッキングは気軽な山歩きを指す。国内では、平成15年ごろから山々に道を通す整備がスタート。今年7月には各地の関係者が集まり、日本ロングトレイル協議会が設立され、本格的な普及活動に乗り出した。観光庁など国も協力方針を示している。

 規模が大きなトレイルとしては、19年に高島トレイル(全長約80キロ)、20年に長野、新潟両県にまたがる信越トレイル(約80キロ)、21年に北海道のとかちロングトレイル(約100キロ)、22年に長野県と山梨県の八ケ岳山麓スーパートレイル(約200キロ)などが完成した。

 「山ガール」ブームもあり、年間数万人が訪れるトレイルも。年間の利用者数は、2番目に多い信越トレイルが約3万3千人、八ケ岳山麓スーパートレイルが8千〜1万人で、高島トレイルが圧倒的に多い。

 高島トレイルは大部分が福井県境沿いで、人気の背景には、京阪神や中京という2大都市圏に近いという事情が大きいという。さらに乗鞍岳(のりくらだけ)(標高865メートル)、三国山(876メートル)、大御影山(おおみかげやま)(950メートル)など12の山々をつなぐ約80キロのルートは、琵琶湖と若狭湾が同時に望め、ブナやミズナラ、アシウスギなど季節の移ろいを楽しめるのも魅力になっている。

 トレイルファンらが自ら訪れるほか、高島市の「びわ湖高島観光協会」は季節に応じ10キロ前後のツアーを企画。6月にブナの芽吹き、9月にはススキに似たカリヤス、11月はブナの紅葉を巡る。5月と11月にはテント泊をしながら全長の半分(約40キロ)を制覇するツアーも。12月18日から来年3月にかけ週末4日間は、スノーシューをはいてトレッキングするツアーも始まる。いずれも地産地消の弁当を提供、近くの温泉や道の駅を利用するものも多い。

 同観光協会観光振興部の吉田正司部長(50)は「ほとんどのツアーが募集開始と同時に定員が埋まります。今後はより多くの若者を集めるため『山ガール』向けの女性限定のツアーにも力を入れていきたい」とし、「高島を全国のアウトドアスポットの代表にしたい」と話している。
産経新聞


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