◇渡来文化“前夜”の姿示す
高島市安曇川町三尾里の上御殿遺跡を発掘中の県文化財保護協会は20日、古墳時代前期〜中期(4〜5世紀)の木棺墓1基と副葬品のヒスイ製勾玉(まがたま)1個、青色ガラス製小玉82個が出土したと発表した。この時期の木棺墓は多数集中し副葬品も土器類にとどまるとされ、単独墓と玉類の副葬は珍しいという。
周辺の地形から木棺墓は墳丘を持たなかったとみられ、木棺自体も朽ちてなかった。勾玉の形状から時代を判断し、被葬者は集落の有力者と推定。ガラス製小玉は約2ミリの濃い青色と約4ミリの淡い空色の2種類。中央に細い穴があり糸を通し首飾りとして被葬者が身に着けていたらしい。一帯では5世紀ごろ渡来文化が花開き、その“前夜”の姿を物語る遺構と評価している。
同遺跡からは他に▽4世紀の竪穴住居跡6棟▽奈良時代後期〜平安時代初頭の掘立柱建物跡4棟▽平安後期の大型掘立柱建物跡1棟−−など多数の遺構と土器片が出土。竪穴住居跡はやや大型で円弧状に並び、1棟から炉跡3基を確認。最大の8メートル四方の住居跡からは石製紡錘車と鉄製カマが出土した。
◇23日現地説明会
現地説明会は23日午後1時半、JR安曇川駅南約1・5キロの現地。問い合わせは077・548・9780。 |