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中江藤樹の蔵書6点を確認 高島で企画展
2011年9月2日
 江戸初期に高島で活躍した儒学者、中江藤樹(1608〜1648年)の蔵書6点14冊が初めて確認され、滋賀県高島市安曇川町の近江聖人中江藤樹記念館で1日、企画展が始まった。書き込みから、藤樹が古典に向き合う姿勢の分かる資料という。

 藤樹と同時代の寛永年間に京都で出版された漢文の出版物。記念館が開館した1988年からの収蔵品で、藤樹の門人、小川庄治郎の子孫の家に、伝えられてきた。

 4月に館長に着任した研究者の中江彰さん(58)が調査した。儒教の解説書「孝経大義」に傍注として書きこまれていた「極廣」「ヨッテ」の書体が真筆と一致することや、固有名詞に付ける朱引きの体裁から、藤樹の自筆と判断した。

 藤樹の蔵書は、1880(明治13)年に書院が火事に遭い現存しないと思われており、初の確認という。

 館長が注目するのは、傍注の付け方。「孝経」で孔子の教えの核心とされる言葉「孝は徳の本なり」の「本」の字に、大きな広がりを表す「極廣」と説明を書き込んだ以外は、読み下しに役立つ言葉を添えているだけ。

 藤樹の言行録に「書物に、雑な他の字を書き込むのは忌むべき」という言葉があるといい、中江館長は「蔵書が確認されたのも貴重だが、古典に向き合う姿勢そのものを学べる資料」と話す。展示は来年3月末まで。月曜など休館。
京都新聞


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