カバタ水 集めて涼し 針江大川−−。
家々に、湧き水を生活に使うカバタが多く残る高島市新旭町針江。端池(はたいけ)に飼うコイが食器の残飯を食べてくれ、外の水路に流れ出る水の汚れは少ない。水は地区を貫く針江大川に集まり琵琶湖へ注ぐ。
水温16度。足を入れると氷水のように冷たい。護岸のすき間から生水(しょうず)が湧く。底は石や砂。水草が流水にそよぐ。浅い水路は今、子どもたちの天国だ。水を掛け合ったり、発泡スチロールの板に腹ばいになったり……。
魚がいる、虫たちもいる。顔を付けてのぞき込む子、網ですくって捕まえる子。見た目は「天然の流れるプール」。でも、カバタを通した水循環の中で、自然と共生しながら水を、川を見事に活用している点は、湖国ならではだ。 |