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鎌倉期武士のくつわ出土 高島・天神畑遺跡で全国初
2011年7月21日
 12世紀末〜13世紀(鎌倉時代)の馬具「くつわ」が高島市鴨の天神畑(てんじんばた)遺跡から出土し、滋賀県文化財保護協会が21日、発表した。武士が使用した乗用のくつわの出土は中世(平安時代末期〜室町時代)では全国初。当時の合戦を描いた絵巻物に登場するくつわとそっくりで、協会は「馬具研究の空白期を埋める発見」と話している。

 くつわは鉄製。馬がくわえる「喰(はみ)」(長さ14・5センチ)、馬のほおに接する「立聞(たちぎき)」と接続部の「鏡板(かがみいた)」(計10センチ)、手綱とつなぐ「引手(ひきて)」(13センチ、片方欠落)などからなる。

 乗用のくつわはこれまで古墳の副葬品で出土例がある。しかし、中世では馬を引く農耕用しか出土していなかった。このため武士用のくつわの研究は社寺に残る祭祀(さいし)用や儀礼用の非実用的なものに頼るしかなかった。

 アンズの葉のような形をして杏葉(ぎょうよう)くつわと呼ばれる鏡板の特徴や全体の構造は、絵巻物「蒙古襲来絵詞(えことば)」「平治物語絵巻」に描かれた物と酷似している。実物が出土したことで絵巻物の描写の確かさが裏付けられた形だ。

 くつわは湿地帯の川跡から出土した。約100メートル南には源頼朝が社領を寄進したと伝わる志呂志(しろし)神社がある。周辺から馬の骨が出土しており、協会の吉田秀則・企画調査課長は「くつわは有力武将が神社に奉納後に何らかの理由で川に落ちたか、雨乞いでささげ物の馬と共に川に投げ込まれた」とみている。

 現地説明会は行わない。くつわは24日〜10月23日に近江八幡市の安土城考古博物館で公開する。24日のみ無料。同協会TEL0748(46)4861。
京都新聞


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