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琵琶湖:動物2倍に 90年論文と比較、1235種確認
2011年5月12日
 琵琶湖の動物が2倍に? 日露の淡水生物の研究グループが琵琶湖に生息する生物の種類を調査し出版した論文集で、動物の種類が20年前のデータに比べ2倍以上に増えたことが分かった。研究の中心になった県立琵琶湖博物館(草津市)のマーク・グライガー上席総括学芸員(54)は「多様性は研究が進むほど解明される。守るべき琵琶湖にはこれほどの生物が生きていることを知ってほしい」と話している。【村瀬優子】

 ロシアのバイカル湖で生物を研究しているオレック・ティモーシュキン博士や同博物館の学芸員ら計45人が調査。生物の総数は1769種類を確認した。うち動物は90年の論文が592種だったのに比べ1235種と2倍以上になり、植物も同506種から534種に増えた。

 グライガー学芸員らによると、90年に京大で発表された動物のリストでは魚や貝などに見られる寄生虫などの分類が盛り込まれていなかった。さらに、日本では専門家が少ない分野のワムシやクマムシなどを確認した。

 97年に同博物館で開かれた「世界古代湖会議」でティモーシュキン博士が琵琶湖の生物群解明の可能性を指摘したことを契機に調査を開始。02年ごろまで文献や現地調査を続けて分類を進めた。研究に参加した同博物館の中井克樹・専門学芸員(49)は「ロシアには日本にいない生物の専門家がいて、共同研究の収穫は大きかった」と話す。

 琵琶湖では現在も微生物やプランクトンの調査が進む。県琵琶湖環境科学研究センター(大津市)の西野麻知子・総合解析部門長は「琵琶湖の生物は増え続けている。今回の研究成果は、生態系の保全を考えるための基礎情報として貴重だ」と話している。
毎日新聞


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