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第1回「建築甲子園」 安曇川高校、古閑さん優勝
2011年1月13日
 「建築士の卵」を育成するため、日本建築士会連合会が初めて開いた「建築甲子園」で、県代表の県立安曇川高校建築デザインコース1年、古閑(こが)愛美さん(16)が優勝に輝いた。高島市の一部で残る湧き水を使う「川端(かばた)」と呼ばれる伝統生活様式を取り入れた作品が評価され、4人の審査員が全員一致で選んだ。古閑さんは「今年の『甲子園』で連覇を狙っています」と意気込んでいる。

 「建築甲子園」は高校野球の甲子園大会にちなみ、建築士を目指す高校生に発表の場を提供する目的で、昨秋初めて開催。全国34道府県の予選を勝ち上がった各校代表の61個人・グループが参加。それぞれの「理想の建物」について、縦約60センチ横約80センチのA1サイズのボードにスケッチを描き、東京の日本建築士会連合会に提出。大学教授や建築関係者ら4人が書類審査した。

 古閑さんのテーマは「人と地域とのつながり」で、古い民家をそのまま別の場所に移築した設計で、敷地内に水路をつくり、その水路を住居内まで引き込み、プールや足湯にしている。高島市針江地区では、湧き水を使って野菜や食器を洗ったり、コイを育てる池の水に使ったりする「川端」が生活に根付いており、これを作品に応用した。また、部屋のカーテンには琵琶湖で採れるヨシを使っている。

 審査委員長を務めた東京芸術大学の片山和俊名誉教授は「(地域の)文化を巧みに取り入れた住まい。審査員全員一致で感心した」と評価。12月には、安曇川高校を片山名誉教授らが訪問し、表彰した。

 古閑さんは昨春安曇川高校総合学科に入学後、一般教養課程を経て昨年10月に高校建築デザインコースに進んだ。しかし、昨年の募集段階では、建築についての知識はほとんどなく、「素人」の状態だった。このため、同コースの太田明博教諭(39)の指導を受け7月末から1カ月間、夏休み中に構想とスケッチに取り組み、完成させた。

 太田教諭は「よくここまでやった」と評価。古閑さんは「将来は1級建築士になりたい」と夢を膨らませている。

 優勝作品は2月19〜20日、高島市安曇川町上小川の「市立藤樹の里文化芸術会館」で公開される予定。

産経新聞


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