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松ノ木内湖:「再生を」 陸地化懸念、住民が推進協
2011年1月8日
 ◇農漁業と緊密、往時の姿に
 高島市安曇川町四津川の湖岸内側に広がり、湖西のコハクチョウ飛来地として知られる松ノ木内湖(約19ヘクタール)の景観や生態系を、農漁業など地域の生活とつながっていた昭和40年代(65〜74年)の姿に戻そうと、地元住民らが松ノ木内湖再生利用推進協議会(会長、梅村彦一・同市議)を設立した。ライフスタイルの変化などで人の手が入らなくなり、陸地化が進むことに危機感を強めており、行政に支援を求めている。

 梅村会長や梅村有吉副会長らの話では、同内湖は四津川地区約120世帯で組織する農事組合法人「四津川農事改良組合」の所有地。一世代前はガンゾウ(小型のフナ)やテナガエビ、コイなどが取れ、漁業者が出荷したり地域で消費もしていた。湖底に生える藻は泥とともに引き揚げて肥料に使われたという。

 同内湖には四つの小河川が流入。ほ場整備などで泥も流入し、岸辺が浅くなってヨシ原が広がった。さらにハンノキや柳など樹木も自生して湖水域を狭め、湖周道路際まであった内湖は陸地化が進行。道路からほとんど見えなくなった。

 このため内湖再生と周辺整備について高島市がプランを作成。失われた景観を取り戻し生態系を保全しながら、散策路や展望台、駐車場などを整備して住民だけでなく、来訪者も親しめる湖岸園地を構想している。

 しかし、費用の半分近くを占める泥のしゅんせつなど3億円を超す費用試算が壁に。まず住民らでできることから取り組もうと同協議会を設立した。会には地元漁協や農協、区(自治会)が参加し、ヨシや雑木の刈り取りを既に2回行った。梅村会長は「地域の宝の再生へ、次世代につなぐ下地を作っていきたい」と話している。
毎日新聞


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