渡り鳥のように海を越えて長距離を移動することで知られているチョウの一種、アサギマダラが滋賀県高島市の山中で見られた。
アサギマダラはタテハチョウ科のチョウで体長は4〜6センチ。東アジアに広く生息しているが、日本で見られる個体は主に本州の山地で夏を過ごし、越冬地である南西諸島や台湾との間を行き来する。
22日、近江山歩き会の山本武人さん(62)ら12人が同市朽木古屋の山中を歩いていたところ、10匹近いアサギマダラが次々に現れた。山本さんの話では、人を恐れる様子もなく、頭や手などに次々と止まったという。
アサギマダラの生態に詳しい大阪市立自然史博物館の金沢至主任学芸員は「今年は猛暑の影響で例年よりも標高が高い1500メートル級の山で夏を過ごしたことが確認されている。気温が下がると南下するため、先日までの猛暑が一段落して移動が始まり、立ち寄ったのでは」と話している。 |