今が旬の湖西の不動産情報掲示板
巨木:高島市、地域の顔を調査 「貴重な財産、大切に」言い伝えを聞き取り
2010年8月31日
 高島市が、地域のシンボルである巨木(幹周り3メートル以上)のデータを集め、所有者から木にまつわる言い伝えを聞き取る「巨木調査」を進めている。空海(774〜835)ゆかりの一本杉なども含まれ、私有地にありながら、貴重な財産として一般に周知していく方針。【後藤直義】

 地元産のスギなどの利用促進を図る「市内産木材流通コーディネイト委託業務」(09〜11年度)の一環。コーディネーター2人が、山林所有者らに木の伐採・販売を勧める営業をしながら、貴重な巨木があれば高さや幹周り、樹齢などについて記録。09年度は8本をリストアップした。

 同市安曇川町上古賀には市の天然記念物で、推定樹齢600年の「上古賀の一本杉」(高さ約20メートル、幹周り6メートル)がそびえる。かつて空海が弁当を食べた際に、はしに使ったスギの枝を地面に植えると、通行人の道しるべになるほどの大木に育ったと言い伝えられているという。

 所有者は近くの入江正幸さん(60)。妻洋子さん(53)によると「山の手入れをしていた義父が亡くなり、特別何かしている訳でない」というが、今も信仰心を持って訪れる人も。また陸上自衛隊(饗庭野演習場)の訓練の目標木にもなっているという。

 一方、谷沿いに多くの巨木が眠るとされる朽木地区。ツキノワグマの住まいだったというカツラ(幹周り8・2メートル、スギを挟んだ変木)や、単木としては市内最大のスギとされる「壷本(つぼもと)の大杉」(幹周り5・7メートル)などの巨木も見つかっている。

 同市森林水産課の白石剛・管理官は「地域の『顔』である巨木は、地域の財産として大切にしていきたい」と話している。
毎日新聞


HOME
Copyright (C) 2010 Shoei Real Estate Corporation. All Rights Reserved