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網膜症乗り越え水彩画描く 高島で「夫婦展」25点
2010年7月18日
 糖尿病による網膜症を乗り越え、水彩画に取り組む長谷川悠紀子さん(70)=滋賀県高島市今津町=と、利男さん(79)の夫婦展が19日から、同市安曇川町田中のギャラリー藤乃井で始まる。病の進行という不安を抱えながら制作に励む悠紀子さんは「夫がいなければ描けなかった作品ばかり。心の目で描きました」と話していた。

 京都市出身の悠紀子さんは、和装用品などに刺繍(ししゅう)を施す「京繍(きょうぬい)」の伝統工芸士。18歳の時からその道一筋だったが、58歳の時に糖尿病の合併症の一つ網膜症を発症し、失明寸前に追い込まれた。

 そのため、針をミリ単位で扱うことができなくなり、京繍職人の道を断念。1991年、会社員だった利男さんの定年退職を機に、京都市左京区から今津町に二人で移住した。

 移住後も「何か作品を作りたい」という制作意欲は衰えず、夫婦で水彩画を描くように。とはいえ、視力は十分には回復せず、遠くがよく見えない。スケッチに出かけても利男さんに、山や建物の輪郭を聞いたり、緑の濃さを教えてもらいながら、二人三脚で制作に励んできた、という。

 マキノ町海津の石積み、大溝の旧市街のスケッチ、人形、ユリ、チョウの静物など二人の作品計25点を出品。中でも、悠紀子さんが手掛けた水辺を舞うチョウの絵は、砂浜を淡い紫色で表現、羽ばたくチョウは今にも画面から飛び出してきそうな生命力あふれるタッチで描かれた秀作だ。
 会場にはトラやネコを精巧に描いた刺繍作品も並べる。25日まで。無料。問い合わせはギャラリー藤乃井TEL0740(32)0150。
京都新聞


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