◇5年かけ、あす出版
高島市南部の旧高島町の今昔を記した郷土史「目で見る旧高島町の移り変わり〜道筋と町並み」が、3月1日に発行される。地元の住民グループ「ふるさとに学ぶ会」(井上直彦会長、25人)の会員が手分けして旧町内全域を訪ね、昔の写真を掘り起こしたり、住民から直接話を聞いて執筆。5年近くをかけ、出版にこぎつけた。
旧高島町勝野地区には江戸時代、大溝藩分部氏が居城を構え、今日も城下町の面影が残る。同会は84年に発足し、旧藩時代の文書を解読したり、数々の史跡を訪れるなど勉強会を重ねている。会員は元教員や会社員、公務員ら地元を愛する人たちだ。
旧町時代の03年に「図説 高島町の歴史」が発行され、同会はこれを補完する町並みの変遷を調べることにした。構想を練り、自治会に着目。旧町内を23地区に分けて会員に割り振った。写真発掘にも力を入れ、▽湖上の鳥居再建前の白鬚神社▽湖上交通時代の大溝桟橋▽1934(昭和9)年の室戸台風による土石流で境内が埋まった日吉神社▽JR湖西線開通前の旧江若鉄道の風景−−など貴重な資料が集まった。
図説の町史同様、写真や地図、ふりがなを多用した。税込み1500円。問い合わせは井上会長(0740・36・0816)。 |