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高島・天神畑遺跡:金剛般若経のこけら経38点 禅宗文化の影響裏付け
2010年2月20日
 県文化財保護協会は19日、高島市鴨の天神畑(てんじんばた)遺跡で、禅宗で重んじられた経典「金剛般若波羅蜜経(こんごうはんにゃはらみつきょう)(金剛般若経)」を書き写した15〜16世紀のこけら経38点が見つかったと発表した。00年の柳遺跡(草津市)以来、全国3例目。同協会は「近江が禅宗文化の影響を強く受けていたことを示す貴重な資料」としている。

 ◇他経典の77点も確認
 こけら経は、薄い板に経典を墨書したもので、僧侶らが写経したとされる。今回出土したのは、形が完全なもので長さ29・8センチ、幅2・1センチ、厚さ1ミリ以下。河川跡(深さ2・5メートル、幅30メートル以上)から束で見つかり、先祖供養のために流されたものらしい。

 ほかに、妙法蓮華経69点▽梁朝傅大士頌金剛経(りょうちょうふだいしじゅこんごうきょう)3点▽摩訶般若波羅蜜経2点▽大般若波羅蜜多経1点▽法華経開示抄1点▽十二門論宗致義記1点−−の6種類77点のこけら経も出土した。このうち、法華経のこけら経には、間違った字の左に「ヒ」と書いて正しい字を右に書き直す「見せ消ち」と呼ばれる校正手法が見つかった。こけら経で確認されたのは初めてという。

 ◇安土城考古博物館、あす公開
 大阪大谷大の宇都宮啓吾教授(経典研究)は「滋賀には(禅宗の)永源寺もあり、禅宗が根付いた地域だったことが確認できる。仏教文化史上、重要な資料」と話している。
 21日午前9時〜午後5時、安土町下豊浦の県立安土城考古博物館で公開。午後1時から報告会がある。問い合わせは同協会(0748・46・4861)。
毎日新聞


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