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竹の和紙に香りすき込む 京の会社社長、工繊大と開発
2009年12月31日
 地域資源の活用策を提案する京都の男性と大学教授らが、竹パルプを素材に香る和紙を開発した。すき込んだ葉や果物の皮が香りを放つ新素材。独特の風合いで、俳画や絵はがきなど広く活用できる。高島市を拠点に和紙を製造する計画で、絵本の発行も検討している。

 開発したのは琵琶湖のブラックバスの食品化など全国各地で活性化事業に取り組む会社経営河野武平さん(69)=京都市中京区=と繊維リサイクル研究の第一人者である京都工芸繊維大の木村照夫教授(59)。

 原料の竹や葉は高島市の合同会社リボーン(海東英和代表)が提供した。同市は扇の骨組み「扇骨」の産地で竹をはじめ自然の材料が豊富にあり、3者で開発した。

 和紙は、竹をパルプ化し、イチジクやサクラの葉、ササ、カキやリンゴの皮などの粒をすき込んだ。薬品を使わず、光触媒反応で香りの定着に成功した。香料でにおいを付けたこれまでの和紙とは違い、天然素材を閉じこめている。

 葉の細かい粒で自然の風合いと季節感を出せ、俳句や俳画、絵はがき、照明の傘にも向いている。場面ごとに異なる香りがする絵本の制作も画家に呼び掛けており、香りでも物語を楽しめる作品を目指している。

 木村教授は「におい物質と竹パルプの新しいコラボレーションで応用範囲の広い素材ができた。包装紙やボードにもなる」。河野さんは「最先端の基礎研究とローテクを融合した新素材。地域の未利用資源を生かし、地元への経済効果も期待できる」と話している。
京都新聞


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