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つらい思い出忘れてはならない 今津図書館、市民の戦争体験談収録
2009年8月11日
 悲惨を極めた太平洋戦争の記憶を資料にして残そうと、滋賀県高島市の市立今津図書館が7月から、「高島市民の太平洋戦争体験談ビデオ」の制作を始めた。すでに市民3人の話を収録、さらに2人の準備を進めている。ビデオ撮りをしていた職員が涙をこらえられなくなるなど、「肉声で、活字では表せない気持ちが表れている。若い人に見て欲しい」という。貸し出しはせず、同館のビデオブースのみの観賞になる。上映会も予定している。

 体験談ビデオ制作は、昨年と一昨年に今津東小で60〜80代の市民十数人が太平戦争の戦地と銃後の体験を語ったのをきっかけに、体験談を資料として残せないかと、今津図書館が企画した。つらく苦しい思い出にビデオ化を躊躇(ちゅうちょ)する人も多かったが、体験談を語ってきた元新聞記者の清水真夫さん(90)が協力を呼び掛け、制作が始まった。

 完成したのは4巻、ビデオテープとDVDにした。タイトルは清水さんが「極寒の満州から灼(しゃく)熱の激戦地トラック諸島へ」、マレーの虎と呼ばれた山下奉文中将の運転手を務めたことがある前川勇次郎さん(89)は「マレー半島の激戦及びシンガポール島の突入激戦」と、スマトラ島に向かう途中、敵艦の魚雷にやられ、目の前で燃えさかる海に戦友が次々にのまれていった「商船山里丸の轟(ごう)沈」、銃後の京都や疎開先の今津での暮らしを述べた吉弘笑子さん(75)は「悲哀●○(りょうりょう)これにつきる戦争 忘れてはならないから語り続けたい」。

 清水さんは「戦争は破壊、憎しみ、苦しみしかなく意味がない。悲惨さを忘れてはならない」と話している。

 ※りょうりょうは、●がリッシンヘンに良、○はリッシンヘンに樛や摎のつくりの部分
京都新聞


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