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武井武雄さんの絵本「刊本」紹介 高島で特別展 「幻の美書」133作
2009年7月11日
 日本で絵本を確立し、芸術作品にまで高めた武井武雄さん(1894〜1983年)の絵本「刊本」を紹介する特別展示が滋賀県高島市今津町の今津図書館で開かれている。作品の質を守るため手作りした絵本は私的発行にとどめ、一般には流通しなかったたため「幻の美書」と呼ばれる。全139作のうち、133作が展示されている。

 武井さんは長野県出身。東京芸術学校(現東京芸大)を卒業後、絵本の王様といわれた絵雑誌「コドモノクニ」の創刊などに携わり、1935年から大人向けの芸術作品といえる絵本「刊本」の制作を始めた。

 「刊本」は、芸術作品にまで高めた挿絵にとどまらず、話、装丁、本を入れる箱すべてに芸術性を追究した。挿絵には、ステンドグラスや自己栽培したパピルス、螺鈿(らでん)、版画などがある。

 会員限定で300セットしか制作せず、いずれも通し番号付きのため、ほとんど市場には流れなかった。

 「刊本」は、高島市マキノ町にある特定非営利活動法人「絵本による街づくりの会」の平松弘三事務局長(53)の所有。2001年に同市マキノ町に引っ越してきたとき、地域に溶け込むために、組織した会で、運良く古書店に出回っていたものを手に入れた。平松さんは「一般的には知られていないが、絵本の原型をつくった人。素晴らしいものばかりのなので見て欲しい」とPRしていた。31日まで。木曜休館。
京都新聞


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