高島市の住民がホタルの里づくりに取り組んでいる。自然が豊かな同市でも、ホタルの生息環境は昔に比べると必ずしもいいとはいえない。「豊かな生き物のいる農地の象徴に」「次世代にホタルのいる集落を伝えたい」と、住民の熱意がほとばしる。
同市マキノ町大沼地区は、県の「世代をつなぐ農村まるごと保全向上対策」事業に名乗りを上げ、「水の里大沼」として具体的な取り組み課題を考える中で「ホタル」に着目した。一昨年に勉強会を開催。今年は13日夜に「大沼ホタルの夕べ〜ふるさとの宝を育てよう」を地区の老人憩いの家で開く。
区長の井川公平さん(68)、前区長の前川則彦さん(63)は「ホタルを保護し増やすために、再び勉強会を開く」と話す。子どもたちも呼び、観察会も行うという。
同市今津町下弘部地区は国道303号沿いに「ホタルの里」の看板を立てている。澤田一忠さん(74)は「昔は文字通り乱舞していた」と懐かしむ。同地区の集会所は「ホタルの家」と名付けられ、棟の妻にホタルのモニュメントを取り付けている。
13日夜にはコミュニティーセンターで「下弘部ほたるまつり」を開く。区長の角川重博さん(60)らはホタルがいる水路わきに「ぼんぼり」を7本建てた。こう書かれていた。「心のあかるさと未来のあかるさは不思議なことに比例するんだよ」。 |