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日本伝統技法に評価 高島の大工ら独で「金閣寺」完成
2009年4月12日
 日本の伝統工法(軸組み工法)の技をかわれた滋賀県高島市安曇川町の工務店経営、土井治さん(58)が、ドイツ北部のハノーバーで金閣寺を模した木造建築をこのほど完成させ、帰国した。ドイツでの反響は大きく、土井さんは「日本文化が高く評価されているのが分かった」と話している。

 土井さんは高島市内の職人ら10人のグループで、昨年10月中旬から4カ月かけて、ハノーバーに住む実業家の別荘の一角に建てた。建物は平屋建て21平方メートル。屋根は銅板葺き、内部の壁には珪藻(けいそう)土を使い、雪見障子や火灯窓、床の間があり、床は竹のフローリングとなっている。

 くぎやボルトを使わず、木材と木材を組み合わせるだけの工法は、マイスター制度下の地元の造園家などから注目を集め、作業のとき、かぶり付くように写真を撮られるほどだった。クリスマスのころは氷点下10度の冷え込みで、伝統的な粗壁の中塗り、上塗りが乾燥しにくく、凍って剥離(はくり)しないよう慎重に作業を進めた。

 ハノーバーの市長も見学に訪れた。日独友好協会の茶会にも招かれ、ドイツの人から茶の作法を教えてもらったという。

 土井さんは「海外で評価されているのに、国内では耐震性重視のため、建築基準が厳しくなり、確認申請の許可が難しくなっている。培ってきた技術を伝承するためにも、なんとかしてほしい」と訴えている。
京都新聞


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