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石組み川復活 市民の手で 大津・蓬莱山中で着手
2009年3月22日
 コンクリートの河川改修が進む滋賀県内の小規模河川で、減少している自然石による石組みの川の復活を目指すプロジェクトに、大津市の市民団体が着手した。壊れかけた個所の維持補修や石組み技術の普及に取り組み、将来は、コンクリート製になった河川の石組み改修を行政に提案することを目指す。

 現在、主流となっているコンクリートの三面張りやU字排水溝と比べ、自然石を組み上げて囲った川は、凹凸にこけや植物が張り付き、魚類や昆虫も生息しやすいという。

 大津市の市民団体「びわ湖自然環境ネットワーク」(寺川庄蔵代表)が、同市八屋戸の大道川で昨秋、補修を試行。3月8日には、地元のNPO法人(特定非営利活動法人)「比良の里人」と県造園協会西地区の計25人で本格的な補修を行った。

 補修した現場は蓬莱山中腹の急斜面を流れる大道川で、幅、深さともに約70センチの石組みとなっている全長約300メートルの区間。石が崩れたり砕けた部分は、最大直径が約1メートルもある自然石を重機で持ち上げて、組み直した。

 大道川の石組みは江戸時代に造られたとみられる。補修に参加した県造園協会の阪口義人・西地区長は「小石を積んだ上に大きな石で固めた穴太積みのような組み方だ」と分析し、今後の補修も十分可能と話した。

 同ネットワークは当面、比良山系を中心に補修を進めていく予定。寺川代表は「コンクリートで、魚や昆虫、水辺の植物が育つ環境が失われてきた。石組みによって川そのものを保全していきたい」としている。
京都新聞


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