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江戸期のブランド・朽木盆知って  高島の男性、全国から100枚収集
2009年3月17日
 江戸時代全国に名を知らしめた高島市朽木の特産品で漆絵盆の「朽木盆」を収集している男性が同市にいる。県外の骨董(こっとう)業者が買い集め地元にはほとんど残っていなかったが、「里帰りさせたい」と10年ほど前から金沢や岡山、京都などの骨董店からこつこつと買い求め約100枚になった。「朽木でも朽木盆は知られていない。できるだけ公開していきたい」と話す。

 高島市教委朽木村史編さん室編纂監の石田敏さん(62)=同市朽木市場。朽木盆は、江戸時代、大名から庶民までが愛用し非常に人気があった。

 黒漆地の丸盆に朱漆で十六弁菊や草花模様を描いた盆が代表的で、1675(延宝3)年には松尾芭蕉が「盃の下ゆく菊や朽木盆」と詠んだほか、名物茶器収集家として知られた松江藩主・松平治郷が1枚1650両で購入したとの記録もあるなど、江戸時代前期には全国ブランドになっていたという。朽木の木地師は明治中期に廃業したといわれる。

 石田さんが初めて朽木盆に出会ったのは1978年。朽木中の担任として家庭訪問したとき、使われていた。「これが朽木盆か。地域で観賞できるように戻したいと思った」。朽木にはすでになく、岐阜、神戸、大阪、県内などの骨董店で買い求めた。

 集めたものは直径が9−36センチ。菊文菓子皿も多い。石田さんは「江戸時代、卓越した技と斬新な絵で垂ぜんの的だった。今は、骨董ブームで何でも朽木盆の名で売られている」と危惧しながら、地元の歴史遺産の保存活動を続けている。
京都新聞


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