JR湖西線で電車の運転見合わせの原因となっている比良山系からの強風について、JR西日本は19日、近江舞子駅(大津市)に風力発電を試行的に導入し、来月から運用を始めると発表した。運行の支障となる強風を逆手にとった「逆転の発想」で、二酸化炭素(CO2)排出抑制に役立てる。
駅ホームに高さ約3メートルの支柱を設け、その上に設置する4枚の羽で風を受け止めて発電する。支柱脇にCO2排出削減量などを表示する計器も付ける。発電能力は1時間当たり最大約1キロワットで、照明などに使う。
同社によると、堅田駅(同)−近江今津駅(高島市)間での強風による運転見合わせは2006年度で計28日、のべ約50時間にも及ぶ。うち近江舞子駅−比良駅(大津市)間がほとんどを占め、秋から冬にかけて集中している。
同社は「これまで強風に悩まされてきたが、逆に利用しようと考えた」といい、実績を見たうえで拡充も検討するとしている。
近江舞子駅−比良駅間約2・9キロに防風柵の設置も進めており、11月末に完成する。 |