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平安後期の男女神像5体が出土 西浅井・塩津港遺跡 祭祀跡も
2008年11月10日
 平安後期(12世紀)の大型起請文木簡が大量に出土した琵琶湖北端の塩津港遺跡(滋賀県西浅井町)から、同時期の木彫りの男神像2体と女神像3体計5体が出土したと、県文化財保護協会が10日、発表した。神像の出土は、青木遺跡(島根県出雲市)の1体のみで、1遺跡から5体も出土したのは全国初。幣、しめ縄、土器などの祭祀(さいし)跡も見つかり、協会は「当時の神社信仰の姿を総合的に知ることができる貴重な遺跡」と説明する。

 神像は、神を彫刻や絵画で表したもの。仏像の影響で8世紀ごろから作られた。今回出土した神像は高さ10・5−15・2センチの座像。本殿跡の北の堀から4体、東側の堀から1体が見つかった。

 男女神像の各1体は像容がかなり残り、平安後期以降の典型的な様式。男神像は冠をかぶって手を胸元で合わせた貴族の正装、女神像は大袖の袍(ほう)をまとい髪を肩下まで垂らす。

 4体の神像が出土した堀のへりから、当時の祭祀の様子を示す幣串、土器皿、灯明が、堀の中からは、しめ縄が出土した。

 本殿跡がある区画は、東西約50メートル、南北約50メートル。周囲に堀を巡らし、拝殿、鳥居柱、神泉の跡もあった。堀から、仏堂や神殿の柱などを飾る「華鬘(けまん)」や卒塔婆も出土し、神仏習合の実態がよくうかがえる。

 塩津は古くから北陸などの物資を京都へ運ぶ琵琶湖水運の要衝で、平安時代の延喜式に塩津神社の名が見える。神像は、15日午後1時半からの現地説明会、22日午後のピアザ淡海(大津市)でのシンポジウム、30日午後に安土城考古博物館で公開される。
京都新聞


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