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中国製の「双耳長頸瓶」が出土、高島市の西万木遺跡
2008年11月4日
 高島市安曇川町の西万木(にしゆるぎ)遺跡で14世紀末から15世紀(室町時代)の屋敷跡が見つかり、その外周の溝から中国製の「双耳長頸瓶(そうじちょうけいへい)」が出土したと、高島市教委と県文化財保護協会が発表した。双耳長頸瓶は仏前や床の間に飾られた花瓶で、領主クラスの所有物と推測されることから、この地域を治めたといわれる万木氏の居館だった可能性が浮上した。

 双耳長頸瓶は同遺跡西側の溝から出土。高さ約19センチ、直径は底が約8センチ、首が約4センチの銅製で、表面のところどころに黒い漆が残っている。底が抜けたようで、木の円板を漆で接着補修してある。

 表面に描かれた四角い渦巻き模様「雷文」などから、殷周時代の中国古代王朝の青銅器を模して、元代の中国で作られたと考えられ、室町時代の京で流行した「唐物趣味」の影響で国内に輸入されたようだ。

 発掘作業は商業施設の建設に伴い、約1000平方メートルで実施。屋敷跡とみられる掘立柱建物の柱穴が検出され、敷地を区画する約40メートル四方の溝(幅約2メートル)に囲まれていた。溝の内側からは中国製の青磁や白磁、信楽焼や常滑焼などの陶器、地元産のすずりや茶臼なども発見された。

 同協会は「出土品から屋敷の主は室町文化の粋を身につけた人物であることがわかる。遺跡周辺は万木氏の城があったと伝わる場所だが、確実な資料はなく、屋敷が万木氏の居館と裏付けることができれば、湖西地域史を塗り替える発見になる」としている。
産経新聞


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