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伝統技法で独に「金閣寺」 高島の大工、京滋職人ら12人
2008年10月19日
 日本の伝統工法(軸組み工法)の技をかわれ、滋賀県高島市安曇川町で工務店を営む大工土井治さん(58)らが中心になり、10月中旬からドイツ北部のハノーバーで地元実業家の別荘に金閣寺を模した木造建築(延べ約21平方メートル)を建てている。3年前のウクライナ・キエフに次ぐ2度目の海外の仕事。土井さんは「頑張ってきた工法が外国で認められ、自信になった。うれしい」と話す。

 大阪市内の設計事務所から建築の依頼を受けた。くぎやボルトを使わず、パズルのような継ぎ方で木材を組む伝統工法。かつては、ごく普通のやり方だったが、そんな技を持つ大工が少なくなり土井さんに話が来た。キエフでは、前大統領の娘婿が大の日本びいきで、別荘に書院造りをベースにした、世界の要人を迎えるゲストハウスなど大小六つの木造建築を請け負った。高島市内の大工7人と左官、建具、瓦職人の計10人がローテーションで7カ月かかって完成させた。

 今回のドイツの仕事はキエフの建物が評価され指名された。高島市内の大工3人と左官1人に、大津市や京都市から屋根板金、金箔(きんぱく)など計12人の職人が現地に赴いている。建物の木材は今春3カ月かけ加工、5月に高島市内で1度仮り組みしたあと、荷造り。8月に船でドイツに送った。完成は来年1月末の予定。

 阪神大震災以降、くぎ、ボルトなどを使わない伝統工法は、木材を金物で補強しなければ法的に難しくなった、という。土井さんは「外国では生かされるが、このままでは伝統工法の灯は消えてしまう」と心境は複雑だ。
京都新聞


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