大津市は9日、日本海への鯖(さば)街道につながり、京都や大津を結ぶ「途中トンネル有料道路」を限定的に無料化する社会実験に早ければ来月にも乗り出すと発表した。有料道路を避ける車で生活道路が渋滞する地元の苦情を受け、県などと協議会を設けて実施する。県は一部無料化も視野に3年以内に結論を出す方針。
約500メートルの同トンネルは県道路公社が88年に建設。夜間帯(午後10時〜午前6時)は無料だが、それ以外は大型車で最大570円かかるため、迂回する車で周辺が渋滞する。3月の市調査で、平日午前7時〜午後6時の通行量はトンネルが1日1499台。市道は3324台で、14%を大型車が占めていた。
市は無料化を要望してきたが、県は償還する建設費が3億7500万円残っており、返済に約10年かかるとして応じなかった。しかし、市が今年度予算に無料化実験の予算460万円を計上したため、県も無料化を検討することに。県道路課は「市が予算までつけたので結論を出したい。効果が証明されれば何らかの判断をせざるを得ないだろう」としている。 |