琵琶湖固有種のニゴロブナの生息数が、2006年度は調査を始めた1994年以降で最多となる推定619万尾だったことが滋賀県水産試験場(彦根市)の調査で分かった。同試験場は、大型稚魚の放流数を拡大したことと、年ごとに差がある天然魚が当たり年だったことによる相乗効果とみている。
調査は放流魚のサンプルを調べた。619万尾のうち放流魚が415万尾、天然魚が204万尾とみられ、ともに前年度の2倍近くに増えた。
要因として同試験場は、外来魚に食べられにくいよう、12センチの大型稚魚の放流を拡大したり、水田で稚魚を育てて初夏の水抜きとともに琵琶湖に流す放流が定着してきたことを挙げる。
天然魚も、調査開始後初めて200万尾に乗る好調ぶりだった。
ニゴロブナは、滋賀の特産「ふなずし」にも使われる。国の漁獲量統計によると、県内の漁獲量は1988年に198トンだった。しかし産卵場所となるヨシ帯が護岸工事で減った影響などで生息数が減少、97年には18トンにまで落ち込んでいた。 |