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近江商人の鉱山経営に光 高島の中学教諭、研究成果刊行
2008年2月22日
 「近江商人の鉱山経営−知られざる鉱山経営の謎」(B6判、308ページ)を高島市安曇川町の中学教諭で日本商業教育学会員の駒井正一さん(57)が自費出版した。高島商人が江戸幕末から明治初期に岩手県釜石地域で鉱山経営を行い、現在の新日鉄釜石製鉄所の礎をつくったことや近江商人の鉱山経営が従来の説から110年もさかのぼる江戸中期の1747年ごろであることを古文書から明らかにするなど、産業資本とのかかわりに焦点をあて、近江商人への新たな視点を示す労作となっている。

 駒井さんは25年前から近江商人の研究を始め、5年前から「誰も手を付けていないのでびっくりした」という鉱山経営との関係を調べだした。岩手、宮城、秋田、栃木、三重などの各県を訪れ、現地の郷土史家の手助けを受け「歩いて見て徹底的に調べた」という。

 本は序説と6章からなる。いずれも豊富な資料とデータを散りばめ実態に迫った。古文書など3つの資料から1747年ごろには尾去沢銅山(秋田県鹿角市)を高島商人が共同経営していた事実などに触れた。政府為替方として三井組と肩を並べた高島商人の大豪商の小野組を取り上げ、明治初期、阿仁銅山(秋田県北秋田市)、院内銀山(同雄勝町)、尾去沢銅山などの経営を行っていたことと合わせて日本商業史での位置づけを説明している。また、明治に日本一の銅山経営者だった高島商人の古河市兵衛にもスポットを当てている。

 駒井さんは「鉱山経営は高島商人が中心だった。知られていないことが多く、学術的な立場でまとめた」と話している。問い合わせは駒井さんTEL0740(34)0658へ。
京都新聞


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