滋賀県琵琶湖環境科学研究センターは31日、琵琶湖の最深部で酸素濃度の回復が平年並みに確認された、と発表した。地球温暖化の影響から近年は低酸素化の恐れが指摘されていたが、同センターは「いわゆる『琵琶湖の深呼吸』が始まった」としている。
同センターによると、北湖の今津沖定点で28日に1リットル当たりの酸素濃度10・4ミリグラムを確認。21日の4・4ミリグラムから大幅に回復し、表層から低層までの水温、酸素濃度が均一になった。
同センターは1月下旬以降の冷え込みで、酸素を多く含む表層の水が冷やされて沈み込んだことが酸素濃度の回復の理由とみている。
「全循環」と呼ばれるこの現象は深呼吸に例えられるが、暖冬だった昨年は観測史上最低の0・3ミリグラムを記録。生物が生存できる下限の2ミリグラムを割り込んで問題視された。 |