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琵琶湖北湖の酸素濃度、観測史上最低に 滋賀県、水質悪化を警戒
2007年10月26日
 湖底の低酸素化が懸念される琵琶湖北湖で、酸素濃度が22日の調査で観測史上、最低の水準を記録したと26日、滋賀県琵琶湖環境科学研究センターが発表した。低酸素化が進めば魚が住めなくなるほか、富栄養化で水質悪化にもつながる恐れがあるとして、同センターは警戒を強めている。

 北湖では毎冬、外気で冷やされて比重が重くなった表層の水や雪解け水が湖底の水と対流する「全循環」により、湖底に酸素が供給される。しかし今年1−3月が暖冬だったため、全循環が大幅に遅れ、不十分だった。

 このため、秋に酸素濃度が大きく低下するのではないかと見て、同センターは定点調査している今津沖約8キロの地点(水深約90メートル)とは別に、約2キロ離れた2地点を補足して計測した。

 その結果、2地点の酸素濃度は1リットルあたり0・3−0・4ミリグラムを記録した。定点地の過去最低0・9ミリグラムを下回ったほか、県のほかの調査結果と比較しても最も低いという。

 国の指針では、コイやフナ類の生息には酸素濃度が最低でも3ミリグラム必要とされるため、低酸素化が進行すると、生態系に悪影響を与える恐れがある。また、湖底の動物プランクトンの死がいなどからリンや窒素が溶け出し、富栄養化が進んで水質悪化につながる可能性もある。

 同センター環境監視研究部門の石黒寛部門長は「今後も酸素濃度を注視していく。琵琶湖の水質と気候との関係も調査していきたい」と話している。
京都新聞


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